リモートアクセスとは?仕組みとできること、導入の方法

2023.02.14

リモートアクセス

働き方の多様化、災害時などへの対策により、テレワークを推奨する企業も増加傾向にあります。これにより、VPN接続やリモートデスクトップなどのリモートアクセスが、より身近な存在となりました。
本記事では、リモートアクセスの仕組みなどをわかりやすく解説し、その導入方法やサービスを選ぶポイントも紹介します。

テレワークのお悩みは、ドコモビジネスオンラインショップで解決!

テレワーク関連サービス特集はこちら

リモートアクセスとは、どこからでも社内PCへ接続できる技術

リモートアクセスでテレワークをするビジネスパーソン

リモートアクセスとは、自宅や外出先など、オフィスから離れた場所にあるPCからネットワークを介して、社内のPCやサーバーなどにアクセスすることです。
PC以外に、タブレットやスマートフォンで利用できる場合もあります。ネットワーク経由でアクセスするため、オフィスの外へデータを持ち出さずにデータを操作できます。

リモートアクセスの必要性が高まる背景

リモートアクセスの必要性が高まっている背景には、テレワークが急速に普及したことがあります。

働き方の多様化に伴いワークスタイル変革が掲げられたことや、感染症対策として外出が制限されたことをきっかけに、テレワークは急速に広がりを見せました。しかしながら、テレワークを導入するにあたり、各従業員の自宅に社内と同じ業務環境を構築するには、非常に大きなコストがかかります。また、データ持ち出しによる情報漏洩リスクも無視できません。

それらのコストやリスクを抑えるために、社外から社内と同じ環境下で業務ができるリモートアクセスを導入しようと考える企業が増えています。

リモートアクセスとリモートデスクトップとの違い

リモートアクセスと似た言葉に、リモートデスクトップがあります。混同しやすい単語ですが、リモートアクセスは「外部から社内システムにアクセスすること」で、リモートデスクトップとは「リモートアクセスを実行する手段の1つ」です。

リモートデスクトップについては、記事の後半で詳しく解説します。

リモートアクセスでできることをわかりやすく紹介

リモートアクセスで仕事をしているテレワーク中の男性

リモートアクセスを利用すると、社外から社内PCの遠隔操作、メールや社内システムの利用、ファイル転送などが可能になります。期待できる効果について1つずつ見ていきましょう。

テレワークの推進

リモートアクセスの大きなメリットは、テレワークを推進できることです。テレワークを推進することにより、遠方に住んでいる人材、子育てや介護をしている人材など、オフィスへの通勤が難しい人材も柔軟に受け入れることができます。環境が変わったことによる離職も抑制でき、人材不足の解消にもつながります。

また、会社がこのような柔軟な就業体制を整えることは、従業員の満足度やエンゲージメントを向上させる効果にもつながるでしょう。

ドコモビジネスオンラインショップでできる、テレワーク推進

テレワーク関連サービス特集はこちら

業務効率化

リモートアクセスの利用は、業務効率化とコスト削減にも役立ちます。通勤時間をはじめ、会議室や外出先への移動時間など、従業員が移動にかけている時間は意外と多いものです。リモートアクセスによって削減できる移動時間を有効利用でき、業務の効率が上がります。

また、リモートアクセスの導入によってオフィスに出勤する人数が減れば、通勤にかかる交通費を削減でき、オフィス面積を縮小すればオフィス賃料を減らすことも可能になります。

テレワークと共に活用したい業務効率化ツールはこちら

業務効率化ツールとは?効果的な手法を徹底解説、成功事例もご紹介

BCP対策の実施

BCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)対策とは、企業が緊急時に損害を最小限に抑え、迅速に事業を復旧・継続するために計画を立てておくことです。緊急時には、自然災害のみではなく感染症の拡大なども含まれます。それら緊急事態に対して個々に対応するのは難しいため、事業を継続するための包括的な計画を立てることが重要とされています。

リモートアクセスを導入すると、何かしらの緊急事態でオフィスへの出勤が難しくなった時でも最低限の業務を行える可能性があるので、BCP対策の1つとして注目されています。

リモートアクセスの注意点

リモートアクセスにおけるネットワーク利用の注意点

リモートアクセスの導入にあたって、社内ネットワークへの負荷とセキュリティリスクには注意が必要です。

リモートアクセスで作業する従業員が多くなるほど、社内ネットワークへのアクセス数が多くなります。アクセス集中によりPCの動作が重くなったり、通信速度が遅くなったりする可能性もあるので、場合によっては社内ネットワークの強化が必要となります。また、従業員の自宅のインターネット環境はそれぞれで、障害が起こるタイミングも異なるため、通信が不調になった場合の対応も考慮しなければなりません。

また、セキュリティリスクも欠かせないポイントです。データの持ち出しをしないで済むことがリモートアクセスのメリットですが、社内サーバーから社外端末にデータをコピーすることは可能なため、データ持ち出しのリスクはゼロにはできません。

そのため、情報漏洩への対策と社内ルールの策定が必須です。無料のリモートアクセスサービスを利用する場合、ウイルスなどへのセキュリティ対策やサポートが不十分なことも多いので、サービス内容をきちんと把握しておく必要もあります。

リモートアクセスの主な種類とそれぞれの仕組み、特徴

リモートアクセスでVPN接続をする男性

リモートアクセスにはいくつかの種類があります。種類によって対応できる業務範囲などが異なるので、それぞれの違いを把握した上で、自社に合った方式を採用することが大切です。

VPN:仮想の専用ネットワークを構築

VPN(Virtual Private Network:仮想専用回線)とは、仮想ネットワークを構築して関係者のみのアクセスを可能とする接続方法です。通信元と通信先の2点間でやり取りする情報を暗号化し、認証を通過することで通信元が正しい相手かを確認するため、比較的安全な通信を実現できます。

社内と同じ環境で業務を行いたい場合や、社内ネットワークのデータを社外端末に保存する業務が多い場合におすすめです。

画面転送(リモートデスクトップ):PCの画面を社外端末に転送

画面転送とは、ブラウザーやソフトウェアの機能を利用して、社内のPCを遠隔操作する方法です。手元の端末には社内PCの画面が表示されます。

画面転送はリモートデスクトップと呼ばれることも多いですが、細かく分類すると「リモートデスクトップ」と「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」の2つがあります。両者の違いは、サーバー内に存在する作業環境が1つか複数かにあります。リモートデスクトップは1つのPC画面を複数人で共有するイメージで、VDIは一人ひとりに個別のPC画面が割り当てられるイメージです。リモートデスクトップのような仕組みを「アプリケーション仮想化」、VDIのような仕組みを「デスクトップ仮想化」を呼びます。

これらの画面転送は、データの処理は社内サーバーのPC内で行われるため、社外にデータを持ち出す必要がなく、手元の端末にもデータが残りません。社内PCでしか快適に動かない高性能なソフトウェアなども、手元の端末から問題なく操作できます。社内でしか扱えないサービスを利用したい場合におすすめの通信方法です。

ドコモビジネスオンラインショップで提供している画面転送方式のリモートアクセスサービス

▼サービスの詳細はこちら

画面転送式のリモートアクセスサービス「MagicConnect(マジックコネクト)」

リモートアクセスサービスを選ぶ3つのポイント

PCからリモートアクセスで社内ネットワークに接続する人々

豊富に提供されているリモートアクセスサービスを選ぶ際に、チェックすべきポイントを3つ紹介します。

1.接続の簡単さや使いやすさ

まずあげられるのが、接続の簡単さや使いやすさです。

リモートアクセスを導入する際、社内のネットワークはエンジニアが設定しますが、自宅など社外にあるPCは、専門知識がない従業員自身が設定することが多いでしょう。設定方法が煩雑だと、せっかく導入したリモートアクセスも浸透しません。また、リモートアクセス時に、マウスの動きなどPCの動作が遅くないかといった接続後の操作性もポイントとなります。

リモートアクセスのメリットを活かすためにも、誰でも簡単に接続・操作ができるサービスを選ぶことが大切です。

2.安全性や接続方式

次に外せないのがセキュリティ対策です。リモートアクセスは共通して社外のネットワークを使用するため、社内で業務を行う時に比べると、どうしても情報漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。セキュリティ対策が十分か、導入前にサービス内容をしっかりとチェックする必要があります。

情報漏洩を防ぐには、そもそも社内のデータを持ち出さないようにすることが大切なので、社内のネットワークでデータを操作できる接続方式のサービスや、ファイルの転送防止機能が備わっているサービスは、セキュリティが強いといえます。

また、その接続方式でリモートアクセスを行った場合に、回線速度や社内ネットワークへの負荷に問題がないかも確認しておくこともポイントです。

3.テレワークなど自社の目的に応じた機能があるか

リモートアクセスサービスを導入しても、自社の目的に合っていなければ社内に定着させることは難しいでしょう。テレワークを推進しようと考えていても、同時にアクセスできる人数に制限があったり、アクセスが集中するとすぐに端末の動作が重くなったりするようでは、テレワークがなかなか浸透しないでしょう。

ネットワーク環境や業務内容を十分に確認し、自社に最適なサービスを選択することが重要です。

リモートアクセスサービス MagicConnect

画面転送式のリモートアクセスサービス「MagicConnect(マジックコネクト)」

MagicConnectは、手元端末に会社PCのデスクトップ画面を呼び出して操作するリモートアクセスサービスです。会社PCにプログラムをインストールするだけで、自宅・外出先のインターネットにつながった端末がオフィスPCとして利用できるようになります。社内データを持ち出すことなく、会社にいるのと同じように業務を安全に行えます。

累計導入実績15,000社以上!MagicConnectが選ばれる3つの理由はこちら

1:安全

社外のPCにデータをダウンロードすることなく、会社PCの画面を転送し遠隔操作できます。

2:簡単

オフィスPCにプログラムをインストールするだけでセットアップ完了。ユーザーや管理者の手間が省けます。

3:手軽

1IDからご利用可能!PCを新たに用意しなくても、社員私用のPCで会社PCを操作できます。

MagicConnect(アプリタイプ/アプリ(Windows)タイプ)

MagicConnect(アプリタイプ/アプリ(Windows)タイプ)

特定の端末にアプリをインストールして利用するタイプです。iOS/Android対応のタイプと、Windows端末対応のタイプから選べます。

このような場合に、おすすめです。

  • 特定の端末でしか使用する予定がない
  • 費用を抑えて始めたい

MagicConnect(USBキータイプ)

MagicConnect(USBキータイプ)

USBキーを挿すだけでどのPCからも利用可能なタイプです。さらに、無料でアプリタイプも利用可能!

このような場合に、おすすめです。

  • 複数の所有端末で使いたい
  • 出張時、ホテル備え付けのPCでも使いたい
  • アプリ・USBキータイプどちらも使いたい

まとめ

リモートアクセスとは社外から社内システムへ接続することで、テレワークの推進などの影響により必要性が高まっています。VPNや画面転送(リモートデスクトップ)といった接続方法があり、さまざまなリモートアクセスサービスが提供されています。操作のしやすさやセキュリティ面をポイントに、自社の目的に合った機能を持つサービスを選択することが重要です。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

記事一覧に戻る