IPアドレスの固定IPと動的IPの違いは?おすすめプランも紹介!

2023.11.28

プライベートIPアドレスが画面に並んでいる

IPアドレスとはネットワーク内で機器を識別する際に用いられる番号です。IPアドレスには、用途によって固定・動的、プライベート・グローバルといった種類があります。法人がインターネット接続サービスの契約を行う際にも必要となる知識のため、この記事では基礎知識から順に解説します。

IPアドレスとは

IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、世界的に利用されている通信プロトコル(通信手順)である「TCP/IPネットワーク」上で用いられる識別番号です。接続する機器ごとに割り当てられ、通信を行う際に送信元や受信先となる機器を指定する目的で使用されます。

固定IPアドレスと動的IPアドレスとは

固定IPを特定する人

IPアドレスは、割り当て方法の違いで「固定」と「動的」の2種類に分けられます。
固定IPアドレスは主にサーバーなどで用いられ、常に同じIPアドレスを使用します。一方、動的IPアドレスは接続するたびに一時的なIPアドレスを自動で割り当てる方式で、一般的なISP(インターネットサービスプロバイダー:インターネットの接続事業者)経由でWeb閲覧する際などに用いられます。

ほかにも、ネットワークを使用する範囲によってプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの2つに大別できます。
この範囲については後述しますが、これらの組み合わせによって以下の4種類の構成が考えられることを覚えておきましょう。

  • 固定IPアドレス/グローバルIPアドレス(例:Webサーバー)
  • 動的IPアドレス/グローバルIPアドレス(例:インターネットへ接続するルーター)
  • 固定IPアドレス/プライベートIPアドレス(例:ネットワークプリンター、NAS)
  • 動的IPアドレス/プライベートIPアドレス(例:社内ネットワーク内のPC)

プライベートIPアドレス

プライベートIPアドレスとは、企業の社内ネットワークや家庭内のPC接続といったローカルネットワークで使用するIPアドレスです。申請手続きは不要で、組織内で自由に設定できます。

ただ、プライベートIPアドレスでは、インターネット接続ができません。そのため、インターネットへ接続する際にはプライベートIPアドレスを、世界中の機器と重複しないように割り当てられたグローバルIPアドレスに変換する必要があります。
プライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスへの変換は、NAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)やNAPT(Network Address Port Translation)により行われます。

グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスとは、インターネット内で固有のIPアドレスです。
IPアドレスの数字の組み合わせには限りがあるため、世界規模で重複なく割り当てられるよう、国家間で組織的に管理されています。

例えば、ドメイン名などを管理する米国の民間非営利法人のICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)や、日本国内ではJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)が管理し、プロバイダー各社などの企業や組織へと割り当てを行っています。

固定IPアドレス

固定IPアドレスは常に同じIPアドレスを使用してネットワークへ接続する方式です。
固定されたグローバルIPアドレスは、例えばWebサーバーのような、IPアドレスが固定されていないと不具合が生じてしまう機器などに利用されます。

Webサイトのドメイン名とIPアドレスを紐づけるためには、DNS(Domain Name System)と呼ばれるシステムを用いますが、もしIPアドレスが頻繁に変更されてしまうと、双方の紐づけが解除されてDNSシステムで管理ができなくなってしまうため、WebサーバーのIPアドレスを固定する必要があります。

このように、IPアドレスが変わると外部からのアクセスに影響が出てしまうような機器には、固定IPアドレスの割り当てが必要です。
グローバルIPアドレスの固定IPアドレスを提供するサービスは、固定IPアドレスを取得・利用するための追加料金が発生するため、動的IPアドレスよりもコストがかかります。

ローカル環境では、ネットワークプリンターやルーターのように、複数の端末からアクセスする機器を利用する際、固定IPアドレスの方が通信が安定するため、プライベートIPアドレスを固定IPアドレスとして設定することがあります。
プライベートIPアドレスは自由に設定できるため、固定・動的にかかわらず費用には影響しません。

動的IPアドレス

動的IPアドレスはネットワークに接続するたびに自動でIPアドレスが割り当てられる方式で、接続する都度、アドレスが変わるのが特徴です。
グローバルIPアドレスの場合はプロバイダー、プライベートIPアドレスの場合はルーターやサーバー機器が持つDHCP機能によって、自動でIPアドレスが割り当てられます。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは、コンピューターがネットワークに接続するたび、IPアドレスを自動で割り当てるプロトコルです。

固定IPアドレスのメリットとデメリット

サーバーのネットワーク

ここでは、固定IPアドレスを使用する主なメリットとデメリットを解説します。

メリット:社外から社内へセキュアにアクセスができる

固定IPアドレスを使用することで、IPアドレス制限が可能になります。
IPアドレス制限は、決められたIPアドレスからの接続のみを許可する仕組みです。これは、許可していないIPアドレスからの社内ネットワークへの接続を制御し、セキュリティを強化する方法として広く利用されています。
接続できるIPアドレスを制限することで、テレワークや外出中に社外から社内のサーバーや端末へ接続できます。

デメリット1. 利用するアドレス数に応じた費用がかかる

固定IPアドレスを取得したい場合、固定IPアドレスを利用できるプロバイダーと契約する必要があり、多くの場合、動的IPアドレスより割高な料金が設定されています。

また、固定IPアドレスの利用料が基本料金に含まれているプランでも、利用できるアドレス数に制限があり、アドレス数を増やしたい場合は追加で料金がかかる場合が多いでしょう。利用する固定IPアドレスの数に応じて、費用が高くなることを理解しておきましょう。

デメリット2. 不正アクセスの危険性がある

固定IPアドレスを利用する際には、適切なセキュリティを整備しなければ、かえって不正アクセスのリスクが高まります。
設定を変更しない限りIPアドレスが変わらないため、一度突破されると第三者に侵入されやすくなり、サイバー攻撃などを受ける可能性がありますので、セキュリティ対策は特に重要です。

動的IPアドレスのメリットとデメリット

世界中につながるIPアドレスのイメージ

次に、動的IPアドレスを使用する主なメリットとデメリットを解説します。

メリット1. 費用負担が小さい

動的IPアドレスは、接続のたびに自動で設定されるのでIPアドレスの取得・変更時に費用はかかりません。そのため、多くのプロバイダーで、固定IPアドレスと料金を比較して、動的IPアドレスの方が割安に設定されているでしょう。

メリット2. 設定やアドレスの管理などの負担が少ない

動的IPアドレスは、IPアドレスが自動で割り当てられるため、自身で管理する負担が少ないというメリットがあります。

メリット3. アドレス間の重複がない

動的IPアドレスはプロバイダーによって自動で割り当てられます。そのため、IPアドレスを自身で管理・設定する手間はなく、重複せずに利用できるメリットがあります。

一方、固定IPアドレスの場合、手動で設定する必要があるため、誤って複数の機器に同一のIPアドレスを割り当ててしまう可能性があります。IPアドレスが重複するとネットワークエラーを引き起こすので、設定する際は注意が必要です。

デメリット:サーバー運用には向いていない

WebサーバーのIPアドレスが何度も変更された場合、DNSがWebサーバーのドメイン名とIPアドレスの紐づけを管理できなくなり、Webブラウザーの検索結果やブックマークなどから自社のWebサイトにアクセスできなくなります。

そのため、ビジネス用のサーバーは動的IPアドレスよりも固定IPアドレスが向いているといえます。

法人利用に適したおすすめプランを紹介!

固定IPアドレスを割り当てたオフィスのPCやサーバー機器がネットワークでつながっている

法人がインターネット接続サービスの契約を行う際にはIPアドレスの運用まで視野に入れてプランを検討する必要があります。また、現在は業務のなかでクラウドサービスやビデオ通話アプリといったインターネット経由のサービス利用が増えている状況も踏まえて、低コストでスムーズな通信ができるプランを選ぶのがおすすめです。

ここからは、法人向けに提供されている固定IPアドレスが割り当てられるIPoE方式のインターネット接続サービスを3つ紹介します。自社のニーズに合わせた条件で選定可能です。

OCN光「フレッツ」IPoE ワイドプラン アプリコントロールA 固定IP1

OCN光「フレッツ」IPoE ワイドプラン アプリコントロールA 固定IP1

オンライン会議を頻繁に行うなど、業務でのインターネット利用が多い企業におすすめのプランです。契約時に、利用するルーターに固定IPアドレスが1つ割り当てられます。IPアドレス制限をかけられるため、セキュリティ向上に役立ちます。

Windows Updateのトラフィックを分離するワイドプランに、オンライン会議用の独立した帯域をプラスしたプランで、収容設計はワイドプランの4倍であり、ストレスフリーなコミュニケーション環境を実現します。

このプランの大きな特長は、Microsoft Teams、Cisco Webex、Zoomといったオンライン会議ツールの他、Windows Updateでの通信を区別した3経路の帯域を利用できることです。これらの通信を他の業務と分けることで混雑を低減し、音声や映像が安定した環境で快適にオンライン会議を行えます。通信経路の選択はプロバイダーが自動で行うため、設定などの煩雑な手間はかかりません。

ルーターありプラン ルーターなしプラン
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OCN光「フレッツ」IPoE ワイドプラン 固定IP1

OCN光「フレッツ」IPoE ワイドプラン 固定IP1

上記のワイドプラン アプリコントロールAよりもコストを抑えつつ、セキュアな通信を確保し、インターネット利用時の遅延を避けたい企業におすすめのプランです。
ワイドプラン アプリコントロールAとの主な違いとして、オンライン会議ツール用の帯域の区別がありません。このプランでは、業務とWindows Updateでの通信向けに、自動で2経路の帯域に分散されます。

同じく固定IPアドレスが1つ割り当てられるため、IPアドレス制限でセキュリティ向上が見込めます。また、従来のPPPoE方式と比較して約6倍の収容設計で安定した接続が可能です。
オンライン会議の利用頻度が低い場合には、こちらのプランを選ぶとよいでしょう。

ルーターありプラン ルーターなしプラン
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OCN光「フレッツ」IPoE 標準プラン 固定IP1

OCN光「フレッツ」IPoE 標準プラン 固定IP1

ここまでに紹介した「ワイドプラン アプリコントロールA」「ワイドプラン」と比べて、標準的な要素のみを備えたプランです。

通信経路を複数に分散する機能はないものの、法人向けに設計された帯域を使用しているため、個人向けインターネットの混雑状況に左右されず快適な通信を行えます。収容設計は従来のPPPoE方式の約2倍で、クラウドサービスの利用にも十分に対応できます。
OCN光「フレッツ」のIPoEを利用できるサービスとしては、もっとも安価に固定IPアドレスを1つ取得できます。

PPPoEに頼る通信環境を見直して、手軽にIPoE通信を利用したい企業におすすめです。インターネット利用の増加などで、より高い品質を必要とする場合には、利用開始後でも上位プランへ変更できます。迷ったら標準プランから始めるのも一つの手です。

ルーターありプラン ルーターなしプラン
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まとめ

クラウドサービスの利用増大、テレワークの普及など企業を取り巻く環境は変化しています。そのような中で、ビジネスを成功に導くためには快適なインターネット接続環境の整備が欠かせません。

法人がインターネット接続サービスの契約を行う際は、固定IPアドレスと動的IPアドレスのそれぞれが持つメリット・デメリットを理解し、自社に合ったサービスを選びましょう。
今回紹介したプランはいずれもIPoE方式を採用しており、ビジネスに適した快適な通信環境を構築できます。ぜひ検討してみてください。

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