スマホ保険とは何? ビジネス向けにモバイル補償との違いを徹底解説
スマートフォン(スマホ)の価格高騰が進む中、紛失や破損は大きなダメージになり得ます。仕事用のスマホの場合は、紛失による情報漏洩リスクなどにも気を配る必要があります。こうしたリスクに備える際におすすめなのが、スマホ保険の加入です。本記事では、スマホ保険と通信キャリアおよび携帯メーカーのモバイル補償との違いや、加入の判断基準について解説し、社用スマホの安全な運用に役立つサービスも紹介します。
スマホ保険とは?
スマホ保険とは、スマホ端末の故障や水濡れ、盗難・紛失などを補償対象にした保険のことです。通信キャリアや携帯メーカーの補償に比べて加入しやすいことが特長で、数多くの保険会社などからさまざまな保険商品が提供されています。少額の掛け金から加入でき、メーカー保証対象外のケースもカバーできるのがメリットです。
通信キャリアによるモバイル補償とはどう違う?
通信キャリアでも、追加料金を支払うことでスマホやタブレットのトラブルを補償するサービスを提供しています。ただし、通信キャリアのモバイル補償の場合、スマホ保険に比べて加入条件や利用条件が大きく制限されていることがほとんどです。たとえば、「加入は端末購入後14日以内」「補償を適用できるのは年に2回まで」などの制限があります。
また、キャリアのモバイル補償では、通常は回線の契約や端末の購入と同時に加入をすすめられるため、詳細を把握しないままに契約してしまうこともあります。契約前に、自分のニーズに適した補償内容かどうか確認することが必要です。
補償内容については保険会社から提供されているスマホ保険と大差がないことが多く、モバイル補償もスマホ保険の一種と考えて間違いではありません。また、通信キャリアのモバイル補償は、店頭に持ち込んで気軽に相談できるというメリットがあり、一般的に費用の負担が少ない点も特長です。
携帯メーカーによるモバイル補償とはどう違う?
通信キャリアと同様に、携帯メーカーからもモバイル補償が提供されています。代表的なのはAppleの「AppleCare+」で、購入後1年間のハードウェア製品限定保証や90日間の無償テクニカルサポート期間をさらに延長できます。Samsung Japanの「Galaxy Care」では、加入後2年間少額の負担金で端末の交換などができます。
「AppleCare+」も「Galaxy Care」も、通信キャリアのモバイル補償と比べると加入条件は厳しくありません。ただし、「AppleCare+」は端末購入日から30日以内でなければ加入できないため注意しましょう。「Galaxy Care」も、端末購入後21日以内の申し込みが必要です。さらに、保証期間が2年間延長されるものの、利用できるのは1年に1回までという制限もついています。
キャリアの補償内容はスマホ保険と大差がなく、通信キャリアおよび携帯メーカーによるモバイル補償を含めてスマホ保険と考えても間違いではありません。ただし、通信キャリアのモバイル補償同様、端末購入時に契約することが多く、内容を把握していない利用者も少なくないはずです。
スマホ保険の必要性を判断する3つのポイント
これまでスマホでトラブルに見舞われたことはないという場合にはあまり必要性を感じられないかもしれませんが、スマホ保険は大きな安心になり得ます。スマホ保険の加入を検討する具体的な判断ポイントは、次の3つです。
- 営業や出張など、スマホを持ち歩いて遠出することが多い
- 複数の端末を利用している
- 中古端末を利用している
1. 営業や出張など、スマホを持ち歩いて遠出することが多い
スマホは、手軽に持ち運ぶことができ、移動中でも使用できる便利な機器ですが、紛失や盗難のリスクがないとは言えません。これらのトラブルを避けるために、営業や出張などで遠くへ移動する機会が多いのであればスマホ保険への加入を検討しても良いでしょう。特に海外では紛失や盗難のリスクが高まるため、海外へ出かけることの多い人には、加入を強くおすすめします。
また、昨今は夏場の気温が大変高くなるため、屋外や乗用車内への置きっぱなしにも注意が必要です。炎天下でスマホを車内に放置すると、バッテリーの膨張やオーバーヒートなどが発生し、電源がつかなくなったり大切なデータが失われたりすることがあります。例えば、iPhoneシリーズの利用に適した環境温度は0~35℃と定められています。
2. 複数の端末を利用している
デジタル化が進む昨今、タブレットやスマートウォッチ、ゲーム機など複数のデジタル端末を使い分けている人は多いでしょう。スマホ保険は、1契約で複数台が補償対象になっていることもあります。通信キャリアやメーカーの保証では補償対象が購入した端末に限られますが、複数端末をカバーできるスマホ保険なら、いくつかデバイスを所持している人はお得に利用できます。そうでない場合もキャリアやメーカーに比べ、加入条件はかなり緩和されているため、複数台を補償対象にしたい場合、保険会社のスマホ保険はお得です。
3. 中古端末を利用している
通信キャリアの補償やメーカーの補償には厳しい加入条件があり、中古端末では契約できないことがあります。スマホ保険の加入条件は比較的やさしく、「購入から1年以内」「中古端末でも販売店による3カ月以上の動作保証があるもの」などとなっています。中古端末の補償を受けたい場合は、スマホ保険への加入をおすすめします。
スマホ保険に関するよくある4つの質問
スマホ保険になじみがなければ、さまざまな疑問がわくかもしれません。自分には加入が必要かどうか賢く判断するためにも、よく寄せられる4つの疑問について解説します。
スマホ保険の補償内容はどんなもの?
保険会社や保険商品によって異なりますが、一般的には、破損・故障、盗難・紛失、データ復旧時の費用が補償されます。
内容は保険商品によって異なりますが、自然故障だけでなく、落下による外装破損や水濡れによる故障も補償対象となることが多いです。新しい端末の購入金額の一部に保険が適用される場合も多く、補償金額は、修理・交換いずれの場合も年間1~10万円程度で、これも保険によって異なります。また、水濡れや破損によって電源が入らなくなったスマホからデータを取り出す「データ復旧」の費用までカバーしているスマホ保険もあります。
壊れたスマホを保険に加入させることはできる?
申し込み時点ですでに故障している端末はスマホ保険に加入できません。多くのスマホ保険では、正常に作動しない端末は加入対象外です。正常に作動していても、画面割れなど見た目の破損があれば加入はできません。加入条件として「外見上の破損がないこと」がある場合、申し込み時にスマホ本体の写真の提出が必要となります。
スマホ保険の補償対象は、加入後に発生したトラブルのみであり、加入前の破損や傷は対象外です。告知事項として定められているにもかかわらず、壊れていることを伝えずに保険に加入したり、虚偽の内容で補償を受けたりすると、詐欺罪として刑事罰に問われる恐れがあります。加入後に告知事項と事実が違うことが判明した場合、補償は無効となり保険の継続はできないので注意しましょう。
わざと壊した場合、スマホ保険はどうなる?
スマホを故意に壊して保険金を受け取った場合は、刑法第246条の詐欺罪に問われる恐れがあります。詐欺罪は実際に保険金を受け取らずに未遂で終わった場合でも、意図をもって偽装行為をしただけで罪になります。「スマホをわざと壊した」とみなされた場合、保険金は支払われません。保険の加入者だけでなく、家族や友人など第三者が故意にスマホを壊した場合も同様です。「保険金目当てにわざと壊して故障を装う」「故障の経緯や内容について虚偽の報告をする」といった行為はしてはいけません。刑事罰など大きなトラブルを避けるために、保険の悪用は絶対に禁物です。
情報漏洩についての補償は?
スマホ保険はあくまでも、故障や外装の破損、紛失といったトラブルに備えるものです。スマホの盗難や紛失、サイバー攻撃などで生じた情報漏洩による被害は補償してくれません。
社用でスマホを利用する場合、情報漏洩には特に気を付ける必要があるため、スマホ保険以外の方法で情報漏洩について対策する必要があります。
社用スマホからの情報漏洩を対策するには
連絡先や取引内容をはじめ、スマホに保存されている重要なデータが流出・漏洩してしまった場合、企業にとって大きなダメージとなります。社内スマホからの情報漏洩への対策は、セキュリティ対策がセットになった「ビジネスマホパック」がおすすめです。
ビジネスマホパックは社用スマホに必要なセキュリティが含まれている
ドコモビジネスの「ビジネスマホパック」は、十分なセキュリティ対策を含む、社用スマホの導入と安全な運用をサポートする総合サービスです。一般的なスマホ保険には含まれていない機密情報の漏洩リスクにも対応し、365日24時間会社のスマホをセキュリティリスクから守ります。ウイルスチェックはもちろん、管理者側でインターネットアクセスの一括制限を可能にする「ビジネスアクセスマネージャー」、スキャンができる「あんしんセキュリティ」などの機能が付帯しています。端末紛失時の位置情報検索や初期化・操作ロックを行える「ビジネス端末レスキュー」機能もあるので安心です。故障・紛失に対応した「ケータイ補償サービス」もセットになっており、端末購入の場合は年2回の有償交換(※1)が可能な「ケータイ補償サービス/smartあんしん補償」、端末レンタルの場合は回数無制限の無償交換をサポートする「レンタルあんしん補償オプション」を展開しています。
- Android端末で8,000円/回ほど。
さらに、ドコモビジネスの総合リスクマネジメントサービス「WideAngle」は、企業のセキュリティ管理体制の整備・運用に対して「プロの知見」を提供するサービスです。なかでもスマホのセキュリティ対策としておすすめなのは、「WideAngle プロフェッショナルサービス あんしんモバイルセキュリティ for ビジネス」です。MTD(Mobile Threat Defense:モバイル脅威対策)を利用して、サイバー攻撃やフィッシングメールなどによる情報漏洩を防いでくれます。スマートデバイスのリスク対策実現のため、MTD・ヘルプデスク・サイバーリスク保険をセットしたサービスです。
ドコモビジネスの総合セキュリティサービスを有効活用し、社用スマホの安全な運用を進めてください。
まとめ
大切なスマホを故障や水濡れ、盗難・紛失などのトラブルから守りたいなら、スマホ保険への加入がおすすめです。通信キャリアやメーカーによるモバイル補償に比べると、加入条件や利用条件が緩和されており、利用しやすいのが特長です。
社用スマホの場合は、端末そのものの故障以上に、セキュリティ上のトラブルや情報漏洩が深刻な問題となるため、一般的なスマホ保険の補償内容では、対策として不十分です。端末補償とセキュリティ対策がセットになった「ビジネスマホパック」であれば、社用スマホの安全な運用と、万が一への備えとを同時に実現できます。