2021.12.01
コロナ禍を契機に広がったテレワークは、今後も多くの企業で継続されることが予想されています。一方で、テレワークにはコスト面やセキュリティなどの心配も。では、企業はどのようなテレワークサービスを利用すればよいのでしょうか。
従業員はテレワークを歓迎している
2020年初頭から続くコロナ禍で、日本でもテレワークが一気に広がりました。東京都が2021年9月に都内企業に対して行った調査によると、従業員300人以上の企業ではテレワーク実施率は90%と、非常に高い割合となっています。従業員数が少ない企業ではややその割合は下がるものの、従業員100~299人の企業でも7割超(72.4%)、30~99人の企業でも5割を超えており、多くの企業がテレワークを取り入れていることがわかります。
従業員規模別実施率(2021年9月)
2021年9月末現在、新型コロナウイルスの感染者数は徐々に減少しているため、テレワークから従来のワークスタイルへ戻していこうと考える企業もあるかもしれません。しかし、パーソル総合研究所が2020年に行った調査(※)によると、テレワーク実施者(正社員)の80%弱が、コロナ収束後もテレワークの継続を希望しているとの結果が出ています。テレワークは、すでに多くの従業員や求職者から好意的に捉えられるといえるでしょう。
テレワークは企業にとっても、業務効率化、オフィスコスト削減、BCP対策など、さまざまなメリットがあります。こうした状況を踏まえると、今後も多くの企業が、テレワークを推奨していくと予想されます。
テレワークの選択肢「リモートデスクトップ」と「仮想デスクトップ」
一方で、企業がテレワークを導入する際には課題もあります。
たとえば、今までにテレワークを実施したことがない企業の場合、テレワーク環境にはどのような対策が求められるのかわからないという企業もあるでしょう。特に中小企業などでは、社内にテレワーク環境の整備に対応できるIT担当者がいないというケースも珍しくありません。さらには、テレワークで使用するツールにかかるコストや、社外からのアクセスが増えることによって起きるセキュリティの問題なども考える必要があります。
こうした課題を解決する方法の一つが、リモートアクセスの利用です。リモートアクセスとは、従業員の自宅や外出先など遠隔地のパソコンから、オフィス内にあるパソコンやサーバー、システムなどにアクセスすることです。これにより、テレワークでも、オフィスで業務を行うのと同等の環境で作業できます。
リモートアクセスサービスの種類には、大きく分けて「リモートデスクトップ」と「VDI(仮想デスクトップ)」の2つがあり、いずれも遠隔地にあるパソコンにネットワークを通じて手元の端末からアクセスするという点で共通しています。
しかし、リモートデスクトップは、オフィスや事務所にあるデスクトップパソコンにアクセスして、自席のパソコン画面を手元の端末に転送することで遠隔操作を実現している一方で、VDIはクラウドサーバー上に、使用者ごとに専用の仮想マシンを用意し、そこにアクセスすることで遠隔操作を可能にしているという違いがあります。
このVDIとリモートデスクトップの違いについて、費用、セキュリティ、管理機能、利便性という4つの点で比較し紹介します。なおリモートデスクトップは、ドコモビジネスオンラインショップで扱う「ビジネスdリモートデスクトップ」を例として扱います。
ビジネスdリモートデスクトップと仮想デスクトップ(VDI)の比較
まず費用面です。VDIを導入する場合は、初期構築費用をはじめ、仮想マシン、ストレージ、OSライセンス費用、通信費用などがかかります。加えて、継続して利用するのであれば、メンテナンス・復旧費用や追加拡張費用などが発生することも考慮しなければなりません。
一方でリモートデスクトップは、インターネット上のサーバーを複数ユーザで共用するクラウドサービスであるため、コストが安価に抑えられます。ビジネスdリモートデスクトップでも、年額の利用料×パソコンの台数というシンプルな料金設定で利用可能。拡張に伴う追加費用なども不要となります。
費用の比較
次にセキュリティですが、VDIはユーザが社内ネットワークから分離された仮想サーバーに接続する構造になっているため、内部の情報漏洩や外部からの侵入の防止に効果的です。リモートデスクトップも同様に社内ネットワークと分離されているため、セキュリティレベルはいずれも同じ水準といえます。
管理機能については、VDIの場合は、接続ログしか残りませんが、ビジネスdリモートデスクトップでは使用履歴を残せるだけでなく、利用できる時間や場所に制限をかけるなど多くの機能を備えています。そのためより緻密な管理ができるといえるでしょう。
利便性についてはどうでしょうか。VDIの場合、利用に際し従業員に教育が必要だったり、毎回環境設定を行わなければならなかったりといった手間が生じるケースがあります。
しかし、ビジネスdリモートデスクトップではインストール不要で、これまでオフィスで使用してきたパソコン環境が、そのまま遠隔地で利用できます。使っていたアプリケーションや保存したファイルの位置も変わりません。安定したインターネット環境さえあれば、画面転送の遅延も起きにくいため、従業員はストレスなく、スムーズにリモート環境へ移行できるでしょう。
また、ビジネスdリモートデスクトップによるリモート環境の構築は最短1時間、専門の運用担当者も必要ないため、管理面でも効率化が期待できます。
利便性の比較
このようにビジネスdリモートデスクトップは、VDIと比べて、コストやセキュリティなどさまざまな面でメリットがあると言えるでしょう。
専用の端末やアプリが必要な業務でも、テレワークできる!
「ビジネスdリモートデスクトップ」では、リモートデスクトップツールとしてトップクラスのシェアを持つ、「RemoteView」を採用。特筆すべきはこれまでテレワークが困難とされていた部門の社員もリモートデスクトップの仕組みを活用することでテレワークが可能になったということです。
RemoteViewの具体的な導入事例を見てみましょう。たとえばある保険会社では、コロナ禍を契機に全社員にVDIによるテレワークを実施していました。しかし、保険金サービス部門や経理、人事などの部門では、部門専用の端末だけしか業務システムにアクセスできないため、VDIではアクセスができず、テレワークができませんでした。そこで、RemoteViewを導入、自宅のパソコンから、社内にある部門専用端末を遠隔操作ができる環境を構築。これにより、全部門においてテレワークが可能となりました。
また、ある建築会社では、テレワーク実施に当たって、従業員の自宅にCADやADSといった建築用専門アプリをインストールした高額なハイスペックPCを、手配しなければなりませんでした。しかし、RemoteViewを導入することで、自宅からすでに専門アプリがインストールされているオフィス内のパソコンへのリモートアクセスが可能となり、低コストでテレワークに移行できたといいます。
RemoteView が利用できるビジネスdリモートデスクトップはスモールスタートにも対応しており、1ライセンスからの利用が可能です。1ライセンスから試しに導入してみて、後からライセンスを追加するという使い方もできます。何か不明点やトラブルがあった際のために、電話、メール、FAQといったサポートも用意しています。
今後、新型コロナウイルス感染症が収束したとしても、働き方の多様化はさらに進んでいきます。その基盤となるテレワークは感染防止だけでなく業務効率化やコスト削減、さらには従業員満足度の向上といった重要な役割を果たします。
快適なテレワーク環境の構築を考えるのであれば、コストが抑えられ、セキュリティも担保できる、ビジネスdリモートデスクトップは有効な選択肢の一つと言えるでしょう。
関連する商品
関連記事
2022.11.01
「社内でしかできない仕事」も、リモートデスクトップなら社外でできる
リモートワークが広がっていますが、セキュリティや業務で使用するアプリケーションの問題から、どうしても出社を余儀なくされるケースは少なくありません。しかし、リモートデスクトップを使えば、外からでもオフィスと同じ環境で仕事をすることができます。