2022.03.24
中小企業のDX化は、効果の出やすい「電子契約」からはじめるのがおすすめです。紙を必要としない電子契約は、業務効率化やコスト削減の他にも、さまざまなメリットをもたらします。
DXは何からはじめればよいのか?
2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」と呼ばれる資料では、このままデジタル化が進まず、企業の業務効率・競争力が低下した場合、2025年から年間で、最大約12兆円の経済損失が発生すると予測しており、この損失を避けるためにも、デジタル技術やデータをこれまで以上にビジネスに活用する、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めるべきとしています。
DXの導入は、なにも大企業だけの課題ではありません。中小企業においても、どのようにDXを進めるかが問われています。
とはいえ、DXを推進しようにも、「どこから手を付ければいいのかわからない」と悩んでしまうケースもあるかもしれません。このような場合は、まず業務の一部からはじめるのがよいでしょう。特に、電子契約による「契約のDX化」であれば、どの企業もはじめやすく、効果も実感しやすいはずです。
電子契約はDX化の成果がわかりやすい
電子契約の導入は、DXの導入の成果がわかりやすいというメリットがあります。
紙の契約を電子契約に変えることで、押印や紙の書類を作成する手間や封入、郵送、受取、ファイリングといった作業もなくなるため、業務の効率化が進みます。さらに、これらの業務のために出社する必要もなくなるため、テレワークなど多様な働き方に対応することも可能です。同時に、印刷料金や郵送料金、印紙代などの費用が必要なくなるため、コスト削減にもつながります。
電子契約というと、安全性に不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、実は紙での契約よりも電子契約のほうが安全性は担保されています。
電子契約では、暗号化された電子データを使うため、紙での契約に比べ、紛失や改ざんのリスクが軽減される上、メールの本人認証や、電子署名、認定タイムスタンプで「誰が・いつ契約した」という証拠能力の確保も万全です。
もちろん郵送なども不要になるため、契約までのリードタイムも短縮できます。電子契約はスピードと安全性を両立できるサービスといえるでしょう。
そして、おそらく一般に想像される以上に、企業では電子契約の普及が進んでいます。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の調査(※)では、電子契約の普及率はすでに67.2%であり、検討中の企業も含めれば84.9%にも上ります。中には"取引先から電子契約をお願いされたことで導入した"という企業も多く、この動きは今後もさらに広がっていくでしょう。
「dX電子契約」の何が凄いのか?
電子契約にはさまざまなサービスが存在しますが、具体的な例として、ドコモビジネスオンラインショップが提供している電子契約サービス「dX電子契約」を紹介しましょう。
「dX電子契約」は、弁護士ドットコム株式会社が提供しているクラウドサインを採用したサービスです。弁護士が中心となって作られたもので、有料導入企業数・契約送信件数・市場認知度の3点において「国内No.1」の電子契約サービスです。
「dX電子契約」の特徴としては、書類の受信者はサービス登録が必要ないため、取引先の承認を得やすいこと、不明点が事前に解消できるよう、マニュアルなどのサポートの体制が整えられていること、操作や機能、UIが非常にシンプルなため、使いやすくIT担当者がいない企業でも運用が定着しやすいことなどが挙げられます。
安全性も高く、総務省・法務省のウェブサイトでは、電子署名法2条1項の該当性が確認された電子サービスの「第1号案件」として掲示されています。官公庁や地方公共団体といった行政機関でも利用が可能です。
契約書を保管するスペースも、発送作業もいらない!
「dX電子契約」に採用されているクラウドサインは、現在も多くの企業で利用されています。ある老舗メーカーA社の例を紹介しましょう。
A社ではかつて社内に紙の契約書を大量に抱えており、オフィスとは別の場所に保管していたため、特定の書類を探す際も一苦労でした。そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってテレワークを推進することになり、社員が出社せずとも契約ができる仕組みを導入する必要がありました。
そこで、電子契約サービスの導入を決断し、契約のデジタル化を進めることとしました。グループ会社がすでに電子契約を導入していたことや、日本の法律やビジネス視点で作られたサービスという点が導入の決め手となりました。
導入に際して、電子契約に難色を示す取引先もあったといいますが、迅速な契約締結やコストの削減、締結後も契約書のデータが保管できる点を訴求し、取引先の理解を得ることに成功。加えて社内でも説明会を行い、従業員にサービスの理解を深めてもらうようにしました。
導入後は、社内では契約書への押印や郵送作業のためだけに出社するケースが減り、他の業務に集中できるようになりました。さらに、契約書の保管のために場所を確保する必要がなくなり、必要な時にすぐ過去の契約書を確認できるようになったといいます。
電子契約は、導入や運用にITの専門知識が不要で、かつ業務効率化やコスト削減などのメリットが目に見える点が特徴です。働き方の見直しや業務の効率化、コスト削減といった課題を解決する一歩として、「dX電子契約」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。